【ユニクロ×アンダーカバー】トラディショナル月見草オブトゥデイ【H&M×マルタンマルジェラ】

中目黒店、青柳です。

最近、ファッション業界で面白いなーと感じるコラボレーションが二つ、ありました。

一つは、今や世界的なファストファッションを代表するまでに成長したユニクロと、
90年代の裏原宿から派生して、盛衰するジャパニーズモードシーンの中で、
孤軍奮闘を続けるアンダーカバーのコラボ。

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ユニクロアンダーカバー 公式
http://www.undercover.uniqlo.com/jp/

UNIQLO U Style Party




もう一つは、こちらも世界的なファストファッションブランドH&Mと、
グラフィティTシャツが一世を風靡したベルギーのアヴァンギャルドスタイルモードブランド、
マルタンマルジェラのコラボです。

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H&M maisonmartinmargiela 公式
http://www.hm.com/jp/maisonmartinmargielainfo

Maison Martin Margiela with H&M - New York Event




どちらも、ファストファッションブランドと高級モードブランドのコラボレーションですが、
このコラボレーションに潜むニーズや双方の狙い、メリットやデメリットとは、どんなものなのでしょうか?



僕が思うに、両者ともそれぞれの本来のブランドのターゲティング層とは異なる消費者ニーズを、
獲得したい狙いがあると思います。
クリエーショナルなモードブランドからすれば、市場規模の大きなファストファッション企業の流通に載せる事により、
本来の自社ブランドでは実現不可能な価格を提示することができます。
また、今まで自社ブランドを知らない層、知っていながら手を出せなかった消費者層へ、
大きくアピールする事もできます。
(もちろん、安売りによる大衆化というブランドイメージ降下、リスクの高いデメリットも抱える事になりますが)

ファストファッションサイドからすれば、
本来の自社デザインでは挑戦しにくい、
または表現出来ない創造的なデザインの服やパターンを、
コラボレーションという名を借りて実現する事が出来るわけです。

実際、高級ブランドのデザインを10分の1の値段で売り出すインパクトや、
それによるブランドイメージ向上など、
メリットはこちら側の方が遥かに大きいと思います。
それに対しての報酬も、もちろん想像に容易くないものであることは、すぐに分かりますが。

しかし、このトップモード×ファストファッションのコラボレーションを経て、
僕が感じた結論は以下です。



「最終的に、ビジネスは利益(率)である」



・・・ファッション業界を夢見る若者にとっては何ともつまらない結論ですが、
ファッションに限らず、ビジネスとはつまり、そういうものだと思います。

今回ユニクロとコラボしたアンダーカバーの高橋盾というデザイナーは、
その昔裏原宿で(こちらもいまや世界的ブランドになった)ベイシングエイプのNIGOというデザイナーと一緒に、
NOWHEREというお店を展開していました。

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十坪程度の狭いお店で一日の売上100万越えは当たり前、
全盛期には月間一億以上売っていたと言われています。
単純に5万円のスタジャンを30着限定で売っただけで150万なので(それも当時は即完売)、
あながち嘘では無いなと思います。

裏原宿のあの決して良いとは言えない立地なので、家賃は高くて50万〜100万として、
アパレルブランドなので基本的にランニングコストはテナント代と販売スタッフの人件費、光熱費のみ、
原価は洋服の生地や縫製工場での費用ということになりますが、
それも恐ろしく高い生地などを使っていたわけではないので、
(寧ろ当時はただの白地の他社製Tシャツにブランドロゴをプリントしただけのものが5800円でバンバン売れていた)
月間売上5000万としても、その利益率は一体何パーセントでしょうか?
推測ですが、恐らく90パーセントを超えていたと思います。
今考えると、とんでもない数字です。
(飲食業では、100%有り得ない数字ですが)

もちろん、当時は裏原宿ファッション全盛期で、
現在のようにスマホやインターネット自体が普及していなかったので、
情報自体や流通ルートが限られており、
東京でしか買えないというプレミア感、
それが全国の裏原宿フリークの購買欲を掻き立て、
完全にバブル状態であった事は確かです。

それが次第に全国にアンテナショップか出来、
nowhereも青山の超一等地に移転しました。

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その後ブランド規模が大きくなるにつれ、
熱狂的なフリークはどんどん少なくなり、
代わりに一般層がその服を着るようになってきた事が、
僕にとっては印象的でした。

その後ベイシングエイプは独自のストリートカジュアル路線、
アンダーカバーはクリエーショナルモード路線に枝分かれし、
現在に至っています。

少し話が逸れましたが、つまり何が言いたいのかと言うと、



1 月間売上400万で100店舗、
利益率10パーセントの企業
(月間売上高4億、純利益4000万)




2 月間売上5000万で1店舗、
利益率90パーセントの企業
(月間売上高5000万、純利益4500万)




どちらが優れ、どちらが劣り、どちらがビジネスとして魅力的でしょうか?

極端な例を出しましたが、つまり店舗数やその規模は、
ビジネスの上でそれ程重要では無いと思います。
(対外的な商談や銀行融資の交渉時等を除く)

その価値を上げる事こそが、重要なのです。



僕はアンダーカバー高橋盾も、マルタンマルジェラもデザイナーとして尊敬しているし、
ユニクロもH&Mの洋服も持っています。
ファーストリテイングの柳井正社長も、経営者として尊敬しています。



この4つのブランドの中で、最も販売価格が低いブランドは、ユニクロです。

この4つのブランドの中で、最も収入が高い人物は、ユニクロの柳井正社長でしょう。




つまり、ジャンルそれぞれにニーズがあり、ビジネスの上で無用な格付けは必要無いと言う事です。
それによって劣等感を抱く必要など全く無く、自分の仕事を誇れる人間こそが最後に勝ち残れるのです。

ラーメン業界で分かりやすく例えれば、
日高屋や幸楽園、餃子の王将といったフランチャイズチェーンにもニーズがあり、
ラーメン二郎やがんこ一条流系、べんてんといった個性的な個人独立開業系のお店にも、
そこにしか無い魅力と、ニーズがあるということです。
(一番の違いは、飲食業ではアパレルほどの差別化プライスは消費者に全く受け入れられないという事でしょうか)

客単価1000円で一日600人、60万を売り上げるラーメン店も、
客単価30000円で一日20人限定、60万を売り上げる高級フレンチレストランも、
同じ固定費率、変動費率という条件の元であれば、
ビジネスという数字上の物差しの上では全く変わらないということを、
今回のトップモード×ファストファッションのコラボレーションで再認識する事が出来た気がします。

私の好きな経営コンサル会社の代表が良く言っています。



「価格は絶対に下げるな。価値を上げろ。」



と。

その通りだと思います。

その意味では、今回H&Mやユニクロは、大成功したと言えるでしょう。

アンダーカバーやマルタンマルジェラは、ここからが勝負だと思います。



最近は公私共に様々な事がありすぎて、
自分が保つべきヴィジョンや将来について考える事が多かったのですが、
このコラボレーションと、そこにおける潜在的な要素を考察する事により、
失いかけていたモチベーションを取り戻す事が出来ました。

そして単純に感じた事は、
やっぱりアパレルって面白い世界だなー、と。
30歳を越えて、またグイグイとアパレル業界の魅力と可能性を感じます。



・・・というわけで、今から駒沢公園でズルズルとラーメンでも啜る事に致します。

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東京ラーメンショー2012
豚の骨×無鉄砲 コラボラーメン


東京ラーメンショー 公式
http://www.ramenshow.com/

今回のラーメンショー2012は、一杯につき40円が、
東日本大震災の復興支援に募金されるそうです。

素晴らしいですね。

うーむ、しかし器と空間って大事だ。



おしまい。
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by mitsuyado | 2012-11-02 20:13 | aoyagi | Trackback | Comments(0)