2011年 06月 30日
真珠貝を狙う潜水夫 ‐宅麺.com‐
突然ですが皆さんはラーメン、食べてますか?
僕はラーメンが好きで、かつ東京で一人暮らし、バイクに乗るのが好きという環境もあって、良く色んなお店にバイクで食べに行くのですが、そのたびに考えさせられる事があります。
「こんなに美味しいのに、このお店は潰れるだろうなぁ…。」
そして実際その予想が現実に変わる店舗を、いくつも見てきました。
結論からいきます。
「ラーメンは、と言うより飲食店は、味だけでは成り立ちません」
寧ろビジネスとして考えるなら、味以外の部分の方が重要である事が大半です。
どんなに美味しくて、どんなにサービスが良くて、どんなに綺麗なお店でも、それはビジネスとは別の話。
立地であったり、プロモーション/マーケティングであったり、テナント代・原価・人件費などの固定費/変動費コントロールであったり。
その全てがバランス良く融合されていなければ、現代のラーメン/飲食戦争は生き残れません。
1 僕の好きなお店の一つは、店主の食材に対するこだわりが非常に強く、本当に美味しいのです。
但しお店は狭く、汚く、店内での会話すら禁止しており、とても女性や子供、家族連れが入れるような店内ではありません。
2 僕の好きなお店の一つは、とてもサービスが良いのです。
但し一人一人のお客様を大切にする余り回転率が異常に悪く、並び始めてから食べるまで2時間以上かかります。
3 僕の好きなお店の一つは、とてもお洒落で清潔な、女性客の多いお店です。
但し内装や外装、立地や価格面の敷居が高く、駅からも離れている為、なかなか訪れる事が出来ません。
…上記3つのお店は、全て潰れてしまいました。
資金力に限界のある個人での独立開業が大半を占めるラーメン業界の、ビジネスとしての難しさはここにあると思います。
何かに偏りすぎていては、一部のコアなフリーク以外からのプロップスは得られません。
しかしビジネスとしてラーメン/飲食を考えた場合、客層の9割以上はそれ以外の一般のお客様です。
味、立地、価格、サービス、雰囲気、経費コントロール。
味だけでも、立地だけでも、サービスだけでも、厳しい外食産業の世界を勝ち残る事はできません。
それでも(ブログ、TWITTERやSNSを含めた)メディアが取り上げるのは、いつの時代も「味」の部分だけ。
料理に全ての情熱を注ぎ込む職人のお店が、それ以外の部分で次々に潰れて行く姿は、ラーメンフリークの一人として悲しい気持ちになります。
しかし現代は、日々進化し続けるネット社会。
そのネット社会が革命児を産み落としました。
その名も…
宅麺.COM!!!
宅麺.COMとは…
-宅麺とは、お店のラーメンの味をそのままご自宅にお届けする、これまでに無かった全く新しいサービスです。
並んで食べたいけど忙しくてなかなか並べない、食べに行きたいけど遠くて気軽には食べられない。
そんな人達にラーメン屋さんの味を届けたいという思いが宅麺にはこめられています。
ちまたのスーパーで売っている、銘店の看板がついたラーメンを食べても、それがお店の味だと思っている人は少ないでしょう。
工場で製造された濃縮スープの素をお湯で溶かす方法は、即席めんの粉末スープと比べれば美味しいですが、お店の味とは全く違う味です。
宅麺では一切濃縮しない、職人が手間隙かけて作った手作りのスープ (ストレートスープ)をそのままパックにして、冷凍便にてご自宅にお届けします。
ご自宅に届いた具材入のスープを湯煎してドンブリに移し、茹でた麺を入れて食べてみてください。
一度食べて頂ければ、スーパーで売ってる今までの生麺と比べて、どれほどお店の味に近いか、宅麺が何を提供したいか、ご理解頂けると思います。
あっさり・こってり、太麺・細麺、とんこつ・魚介、醤油・塩・味噌、お好きな味のラーメンを是非一度味わってみてください。-
◆利用シーン参考例◆
1【宅飲みの締めに宅麺】
飲んだ後のラーメン。ついつい行ってしまいますよね。
ラーメン屋さんの味で締めれば宅飲みがもう一盛り上がり!!
調理も簡単です。
2【宅麺で家族団らん】
小さいお子さんがいると、なかなかラーメンって食べに行け無いですよね。
しかも、宅麺でご紹介するお店は待ち時間の長い行列店ばかり。
宅麺なら、行列に並ぶ事なく、全員一緒の食卓でお店の味が楽しめます。
3【出産育児のお供に宅麺】
妊娠中や育児中だっておいしいラーメン食べたいですよね。
宅麺なら赤ちゃんがいたって自宅だから大丈夫。
ママ友で集まってワイワイやっても楽しいです!
4【彼女と自宅で宅麺】
「ちょっとウチで宅麺しない?」
料理が苦手な方でも、宅麺さえあれば、自宅がラーメン屋に!
一気にあの人との距離が縮まるかも!!
5【一人で好きなだけ宅麺】
女性だと一人で行列に並んだり、ラーメン屋さんに入りづらいことありますよね。
宅麺なら大丈夫。周りを気にせず、好きなだけすすっちゃってください。
6【有名人も好きなだけ宅麺】
ラーメンは好きだけど、行列に並んでたり、ラーメンを食べてる姿を
見られるのはちょっと困る。
そんな有名人も宅麺で好きなだけラーメンライフを。
7【お世話になったあの人に、宅麺】
宅麺は全国配送が可能ですので、日本中どこでも配送が可能です。
お世話になった方の出身地のラーメンを送ったり、自分のおすすめラーメンを送ったり、ギフトとして宅麺をぜひご利用くださいませ。
(公式HPより引用)
宅麺.COM
http://www.takumen.com/
…うーん、これは気になりますねー。
実際参加しているラーメン店を覗いてみると
元-HAJIME-
多賀野
風雲児
四代目けいすけ
胡心房
かづ屋
ど・みそ
光麺
八蔵
太陽のトマト麺
庄の
くるり
八雲
地雷源
麺屋宗
砦
びぎ屋
好日
えん寺
すずらん
つじ田
楽々
めん創 桜花
一風堂
ごとう
etc...
といった超有名ラーメン店から実力派個人店、かなりマニアックなお店まで幅広くカバーしています。
弊社代表の中村が愛してやまない「ごとう」や「一風堂」があったり、青柳個人としては行きたくても立地的に遠くてなかなか行けない、神奈川の隠れた超名店「めん創 桜花」がある事に感動しました。
以前から店舗独自のネット通販、楽天などで有名ラーメン店の通信販売は存在していましたが、大きく異なるのは
「通販用に製作した麺や粉末/濃縮スープではなく、あくまでお店で使用している麺とスープを受注生産方式でそのままパッケージング」
している事。
名前につられて買ってはみたけれど、全然お店の味と違う…。
そんなショッキングな出来事を回避する事が出来ます。
そしてこの宅麺サービスで面白いのがもう一つ、オフィスで有名店の味が楽しめるという
『オフィスde宅麺.com』
http://www.atpress.ne.jp/view/16444
僕も前職カード会社のサラリーマン時代、勤務時間中はオフィスから出れなかったため、食事は殆どコンビニ弁当かコンビニのパン、カップラーメンでした。
その屈折した感情から勤務から解放された後は外食/ラーメン店を食べ歩くようになった気もしますが、やはり食事は出来るだけ美味しいものを、出来るだけ楽しく食べたいものです。
このサービスは企業に無償で「宅麺ストッカー」という冷凍庫と加熱調理用器具、食器を提供し、冷凍したラーメンを宅配するというもの。
このサービスは、多忙な現代のオフィスワーカーにとって
「マンネリ化している社内での食事を、より美味しく、より楽しく」
する、非常に魅力的なサービスだと思います。
従来のラーメン業界における経営/販売の常識概念を揺るがす魅力と可能性を秘めるこのビジネス、一体どんな会社/経営者なのか気になり、少しネットで調べてみました。
グルメイノベーション株式会社
http://www.gourmet-innovation.co.jp/
代表取締役のインタビューを見つけたのでリンクを貼っておきます。
グルメイノベーション株式会社 代表取締役社長
井上 琢磨氏 インタビュー
http://bb-wave.biglobe.ne.jp/business/hit/095/
井上 琢磨氏 FACEBOOK
http://ja-jp.facebook.com/saibaba
井上 琢磨氏 TWITTER
http://twitter.com/#!/kuma19851014
「グルメイノベーション株式会社」としての法人設立は2010年4月16日、代表の井上 琢磨氏は35歳とまだ若い企業ですが、過去にEC(electronic commerce)事業で実力を発揮していた人物のようです。
宅麺を紹介した動画を見つけたのでリンクを貼っておきます。
しかしこのラーメン通販ビジネス、非常に面白いと思います。
買い手側とすれば
「なかなか行く事の出来ない有名ラーメン店の味を、限りなく近い再現度で、自宅やオフィスでいつでも気軽に楽しめる」
というメリットがあり、売り手側とすれば
「商品や味には絶対の自信があるが、経営面(特に立地やプロモーション)に不安がある」
という、両者のニーズに答えています。
また、調理方法が複雑な和食、中華、フレンチなどに比べあくまでラーメンは
「麺、スープ、トッピング」
のみのシンプル構成で、調理方法も基本温めるだけの為、冷凍パッケージングが比較的容易で、限りなく本物に近い味を再現しやすいと言えます。
更に個人的に驚きなのがこの宅麺.COM、何と各店のスープの原材料を全て明記(!)しているのです。
こんな感じ↓
先程も書きましたが、宅麺は「あくまでお店で使用している麺とスープを受注生産方式でそのままパッケージング」しています。
ラーメン店にとってスープの原材料情報は、その命といっても過言ではありません。
参加している上記各店がこれを承認したと考えると…、ホント驚きです。
以前にも書いたのですが、私はラーメンを含めた飲食産業はあくまでコミュニケーションツールの一つだと考えています。
ただ料理を食べるだけではなく、お店の雰囲気を楽しみ、同席者との会話を楽しみ、お酒や料理を楽しむ。
そして外食産業に関わっているからこそ痛感するのですが、人生において食事を通じた最大のコミュニケーション場所はやはり「家庭の食卓」だと思っています。
その「家庭の食卓」を彩るアイテムの一つとして、「有名店のラーメン」が存在する。
東京のラーメン店の、いち従業員として、自分の作った麺やスープが全国の家庭の食卓で笑顔を生み出す光景を想像すると…、それだけでこの上無い幸せですねー。
PCメーカーのDELLは受注生産BTO方式でシェアを一気に伸ばした事で有名ですが、ラーメン/つけ麺業界も
「この店の麺にこの店のスープ、トッピングはこのお店のチャーシューとメンマ、味玉はこのお店にしよう」
といった
「ラーメン受注生産BTO方式」
の時代が訪れるかもしれません。
このラーメンデリバリービジネス、しばらく目が離せませんねー。
肉汁やZERO@石神井公園の肉汁+茹で野菜+ネギ豚ご飯。
個人的に最近ハマっているうどん×つけ麺用濃厚スープのコラボ。
「麺屋とらのこ」出身の店主が提案する新業態。
いやー、やられました。。
http://toranoko.qee.jp/nikujiruya0/
…ってことでうどん文化にインスパイアされて勝手に作ってみました。
うどん×三ツ矢堂製麺コラボ。
「ぷっ」すまで尾木ママも絶賛していたスープを使った、その名も
「四川坦々うどん」
うーむ、「何か」が足りない。。
その「何か」を探し当てるまで、しばらく青柳の「うどん中毒」は続きそうです。
あー、うどん食い倒れに行きたいっす。
ではまた来月。