2010年 04月 14日
オバ桜
暑くなったり寒くなったりと、通勤着に困ってしまう、今日この頃ですね。
桜まつりの賑わいで力尽きたのか、目黒川の桜たちも、徐々にその化粧を落とし、
素顔の緑色に戻りつつあります。
そんな折、ちょっと心暖まる出来事がありました。
お一人でいらした、中年の上品な御婦人のお客様でした。
お冷やをお出しすると同時に、
「あの…あのつけめんを下さい。え~と、え~と…」
どうやら、名前を忘れてしまっているご様子でした。
何とか導き出してさしあげたいと思い、私がメニューをお渡ししようと手にした途端、
「そう、これ!『春のつけめん』!」
ピンク色の桜つけめんのメニューを指差して、頬を輝かせながら、おっしゃいました。
「桜つけめんでございますね?」と私。
次の瞬間、
「あらいやだ、間違えちゃった!ごめんなさい!」
「いいえ、まさにお客様のおっしゃる通り、こちらは『春のつけめん』でごさいます。
素敵な名前で呼んで下さって、ありがとうございます。」
「間違えたのに、そう言ってくれるの?嬉しいわ。」
その時の笑顔と笑顔のやりとりが、この春の陽気以上に、
私の心を暖かくしてくれました。
この仕事をしていて本当に良かったと思える瞬間です。
お客様の笑顔は、私たちにとって宝物です。
これからもずっと大切にしていきたいと、あらためて感じました。
今日はお休みなので、庭の枝垂桃を眺めながら、ボーっと過ごしています。
桃の花は、今まさに満開。
この木を植えてくれた父に感謝です。
今夜はシチューを作ります。
ちゃんとバターと小麦粉と牛乳から、ホワイトソースを作ります。
以前に、手間を省こうと、市販の固形ルーを使った時に、
「味が違う!」と、家族から大ブーイングを受けたのです。
やっぱり『手抜き』はいけませんね。(笑)
料理だけではなく、人生の教訓です。
桜や桃を見習って、手を抜かない本物の人生を、死ぬまで満喫したいと願う、
欲張りなオバちゃんなのでした。